シワの原因は年齢だけではなかった!

前回に引き続き「健やかな女にはシワがない」(後編)をお伝えします。今回は、女性の皆さんなら誰でも気になる「シワの原因」についてのお話しです。

働く女は眉間のシワにご注意!

働いていたら、当然ですが怒ること、ありますよね。
なにかに腹を立てているとき、ひとは眉間や額にシワを寄せているもの。パソコン作業も多いですから、どうしても眉から上、いわゆるアッパーフェイシャル(上顔面)に力が入りがちなんです。

仕事をしている以上、仕方がないことではあります。それでもなんとかしたいというなら、目尻へのボトックス注射が一番効果的。いわば強制的に筋肉を緩めてしまうことで、緊張感を出さないようにするんですね。
仕事でギスギスしていても顔に出さないポーカーフェイスも、時には大切です。

働く大人の女性に必要なのは、ズバリ余裕。
その効果はシワ問題だけじゃありません。実は、目尻や額にボトックスを打つことで、筋緊張性の頭痛が緩和されることも多いんです。

私も仕事するうえでムッとすることもありますし、怒ることもイライラすることもあります。だからこそ、ほどよくストレスを緩和できるようにすることも大事です。
仕事で外回りが多いなら、オフは家でゆったり過ごす努力を。 座り作業が多いなら、休日は外出して、歩いて気分転換を。


それでもギスギスした余裕のない感じが出てしまうなら、医学的な施術に頼ることも考えてみては?
それが働く女性特有のシワを回避する一番の近道かもしれません。

一目でわかる、スモーカーのシワ

喫煙している人特有の顔を、スモーカーフェイスと呼ぶことがあります。
肌のハリがなく、シミやくすみが目立ったり。頬の毛穴が開いたり、目尻のシワが多く出たり。
ほうれい線も深くなるし、口まわりのシワもくっきり出たりして。
思い当たる顔の人、まわりにいませんか?
これらの症状がなぜ起こるかといえば、まず第一に体内のビタミンCが消費されてしまうから。
喫煙者の血中のビタミンは、非喫煙者の半分以下といわれるほど。 ビタミンCは美肌ビタミンといわれるぐらい、肌のコラーゲン生成にも関わる大事な栄養素です。
最近では、弾力線維と呼ばれるエラスチンの減少がシワに深く関わるといわれています。 エラスチンはコラーゲンどうしを結びつける繊維状タンパク質で、ゴムのように伸び縮みしています。 喫煙はエラスチンを減少させますので、皮膚のハリがなくなり、そしてシワへとつながっていくのです。

そして喫煙は、活性酸素を大量に発生させる原因にもなります。
最近よく耳にする活性酸素ですが、これはもともと人体にとって大切な物質。 体内に入り込んだウィルスや細菌を撃退するために、白血球から放出されていて、殺菌、消毒をしてくれます。でももちろんいいことばかりではなく、細胞を老化させてしまうという面もあるんです。
鉄が酸化すると錆びるように、体内でも活性酸素によって酸化が進み、体が錆びてしまう。 紫外線やストレス、食品添加物、油分のでも活性酸素は発生しますが、なかでもタバコは1本で100兆もの活性酸素を発生させるとか。

シワやシミ、そばかす、血管のつまり、肝臓の機能低下と、肌だけでなく体にも悪影響を及ぼす活性酸素。
その最大原因であるタバコは、百害あって一利なし!だと思いませんか?

酒を飲むほど、シワが出る!?

適量であれば問題ないけれど、大量の飲酒もまた、コルチゾールと呼ばれる副腎皮質ホルモンを分泌させ、コラーゲン代謝を妨げる作用があると警告されています。
過度なアルコール摂取は、シワ発生の危険性を高める行為のひとつだということ。
飲みすぎは活性酸素の発生につながるし、肝臓の疲労は肌のくすみや乾燥を引き起こし、結果的にシワへとつながることになります。

なにより、アルコールによって影響を受けるのがという臓器です。
アルコール消毒という言葉があるぐらい、アルコールは殺菌力が強いもの。もちろんそれは腸内細菌にとっても例外ではなく、ビール程度のアルコールでも死んでしまう菌はいるんです。
もちろんアルコールに強い菌もいますが、毎晩アルコールを摂取するとなると、腸内細菌のバランスが崩れるのは確実。漬物や味噌などの発酵食品で乳酸菌を補充していればいいけれど、そうでなければ生息する腸内細菌はどんどん偏っていってしまいます。
アルコールを大量に飲むと、消化管の表層壁がただれた状態になって出血したり、免疫力が低下することも判明しているんです。
正常な消化活動ができなければ、必要な栄養素も体内をめぐりませんし、美肌づくりの妨げになってしまうでしょう。
ワインであれ日本酒であれ、焼酎であれ、飲みすぎは禁物!
血行などの循環がよくなるぐらいの適量を保ちつつ、節度のあるアルコール摂取を心掛けたいものですね。

量の調節がなかなか効かないという方、せめて、お水を間にはさみながら飲むようにしましょう。

ランナーズハイならぬ、ランナーズリンクル

ここ数年ランニングブームが続いていますね。
健康維持のために、運動は欠かせません。毎日、できるだけ「歩く」、「動く」を心がけ、週に1回くらいはランニングなど、息があがるような運動を取り入れるのが理想的と言われています。

適度な有酸素運動は代謝アップにつながるし、肌のハリもよくなるもの。
でもバランスが大事なのは、食生活も運動も一緒です。
有酸素運動も、肌老化、シワの原因になることもあるわけです。

どれかひとつの運動ばかりするのではなく、筋トレなどの無酸素運動もバランスよく取り入れたほうが、肌にも体にもいいのです。

また、走る振動によってできる、「たるみジワ」にも注意が必要ですよ。皮膚は記憶力のある臓器なので、振動による肌の下垂も、残念ながら記憶してしまうんです。
よく走る方で、痩せているのに頬がブルドックのように垂れ下がっているという方、いませんか?あれは残念ながら、走ることで肌がたるんでしまった結果なんですね。
そして何より、屋外でのジョギングは、紫外線という肌の大敵も浴びることになります。そう考えると、夢中になりすぎるのも困りもの。

ランニングは健康のため。
でもほどほどに!
肌のことを考えるなら、軽いジョギングぐらいにとどめるのが無難です。

若者に急増中!?スマホジワ

スマートフォンをいじるときって、だいたい下向きになっていますよね。
でもこの角度、首のたるみやシワの原因になりかねない危険な体勢だってご存知ですか?
さらに小さい文字を凝視するため、無意識に目を細めたり、眉間にシワを寄せてしまったりしてしまいがちです。
この表情、続ければ続けるほど老け顔一直線!
普通ならば40代以降に出ることが多い眉間や額、首のシワですが、最近は20代後半から30代前半でも出現することがあるそう。これはおそらく、スマホの弊害。
電車に乗ったら、座っている乗客の方々の顔を見てみてください。
スマホをいじっている人のほとんどが、しかめっ面をしてシワの寄った顔をしているはず。
とくに30代以降は皮膚の老化に伴い、こうした表情ジワが定着しやすいもの。長時間のスマホにはくれぐれも気を付けたいものです。

そしてもう一つ、寝る前のスマホも別の意味でシワの原因になっています。
スマホもパソコンもゲームも同じなんですが、就寝前に強いチカチカした光を見続けることで脳が冴えてしまい、眠りを妨げることもわかってきているんです。 不眠によって代謝が落ちてできてしまうシワも、やっかいなものですよ。

スマホ中毒はシワの元、と心得ましょう。