前回までは、脱毛症の種類と特徴についてお伝えしました。今回は、脱毛症に対する治療法はいったいどのようなものがあるのか、医療機関で一般的に行われている治療法についてお伝えします。
育毛治療とは
人の髪の毛は、1日に何本くらい抜けていくと思いますか?
実は、毎日80~100本は抜けていくといわれています。しかし、生活習慣の乱れや偏った食生活、ストレスフルな日々を送っていると、抜け毛はさらに多くなり、毛が細くなったりする方もいます。
特に女性とっては「髪は命」と昔から言われているように、とても気を遣うところですよね。ボリュームはもちろん、ツヤやコシのあるしっかりとした綺麗な髪でいたいと思う方は、多いのではないでしょうか。
脱毛症の原因は一人ひとり異なり、多くは複合的な要因によって引き起こされています。ですから、脱毛症の治療も、個々にあった方法を選択することが必要です。全体的にいえることは、遺伝的な「薄毛」も含めて、生活習慣の見直しやストレスをためないなどの工夫が大切なのです。
では、脱毛症を引き起こす要因について、振り返ってみましょう。
- 食生活が偏りがち
- 過度のダイエット
- 睡眠時間が短い
- ストレスをためやすい
- 運動の習慣がない
- 整髪料が頭皮につくスタイリングをしている
- お酒やタバコが好き
- 外出前にシャンプーをよくする
- シャンプーを1日2回以上行う
- 帽子をかぶる時間が長い
これらの習慣や行動が引き金となり、「頭皮の血行不良」「頭皮環境の悪化」「ホルモンバランスの乱れ」が生じることで、薄毛につながっている可能性があります。「思い当たるわ」という方は、その習慣や行為を解消する(見直す)ことから始めてみましょう。
脱毛症の治療には、薄毛治療(発毛・植毛)と育毛対策があります。どちらを選択するのかは、「脱毛の進行具合」と「対策の目的」の2つの軸で検討していきましょう。
クリニックの医師と相談しながら、あなたに合った治療方法を選択してください。
治療法の種類
前途のように、髪の毛は毎日80~100本は抜けます。しかしその一方で、正常な毛周期の方は1日100本前後の毛髪が再生されます。つまり、毛髪は一定の量が保たれていることになります。
健康な状態であれば、毛周期は約3年から6年で1サイクルが経過します。「成長期」→「退行期」→「休止期」というサイクルで働き、1つ1つの毛包が独自の毛周期で脱毛・再生を繰り返しているのです。このサイクルがさまざまな原因により乱れてしまうと、生えるよりも抜ける方が増えてしまうので、「薄毛」につながります。
さて、クリニックや専門の医療機関では、どのような治療を受けることが出来るのでしょうか。その一部をご紹介します。
外用薬
外用薬は皮膚(頭皮)に塗る薬です。頭皮に成分を直接届けることで、血流改善や栄養補給の効果が期待できます。
内服薬
医療用の高濃度サプリメントや、ホルモンを調整するお薬を内服します。発毛・育毛を促す効果が期待できますが、あくまでも「医薬品」ですので、副作用のリスクに注意が必要です。
尚、お薬の成分によっては、女性の使用が禁止されているものもありますので、「お家にあるから」といって安易に服用してはいけません、くれぐれもご注意を。
HARG療法
幹細胞を用いた「再生治療」です。幹細胞成長因子を散布することで、体の中の幹細胞を成長させ、発毛を促します。当クリニックでは、従来のHARG療法に加えて、「薄毛」と「頭皮」の状態に合わせた注入剤を、カスタマイズしていきます。
ヘアフィラー®
次のような効果を発揮する成分が配合された毛髪用注入剤です。
・髪の再成長
・頭皮の再構築
・健やかな頭髪の育成
・脱毛因子の阻害
発毛・育毛の効果が期待できます。
PFC治療
ご自身の血液で100%製造するオリジナル注入剤(PFC)。これを頭皮に直接注入し、ダイレクトに毛乳頭に働きかけ、毛根の細胞を活性化させて再生させる治療法です。
クリニックや専門の医療機関では個々に合わせて、多岐にわたる治療の組み合わせを提案していますので、「この先、私の髪の毛はどうなってしまうの?」と不安に思う方は、医療機関に足を運んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
「薄毛」は肌のトラブルと同じで、「人の目」がとても気になってしまうもの。そのことがストレスになってしまい、さらに「薄毛が進行する」という悪循環も生み出します。
近年、中高年の方だけでなく若い女性にも多く見られる「薄毛」ですが、適切な治療を行えば改善する可能性が高いので早めのケアが大切ですよ。
また、医療機関での相談では専門的で客観的な診断が行えるため、治療や生活改善を行う際のアドバイスが聞けます。相談することにより抱えている不安も軽くなりますよ。