美容コラム
ケミカルピーリングは男性の気になるにきび跡にも効果がある?何回の施術で効果が実感できるか・費用も解説
朝鏡を見た時に、顔の赤みやプツプツが気になることはないでしょうか。実はにきびよりも厄介で後を引く「にきび跡」に悩まされる男性は多いです。
今回の記事では、そんなにきび跡にも効果があるといわれるケミカルピーリングについて特集しています。
ケミカルピーリングという治療の解説・にきび跡の発生原因など基本的なことから、もう一歩踏み込んだ詳細な内容をまとめました。
特にケミカルピーリングでにきび跡を治療する際の施術回数・費用・診療の流れなどは、今までスキンケアに興味が無かった男性も知っておいて損はありません。
スキンケアに気を使っている方も、今はそうではないという方も、ぜひ参考にしてみてください。
ケミカルピーリングとは
ケミカルピーリングは、ピーリング=peel(はがす)という意味の治療法の一種です。その名の通り、皮膚の表面を物質をはがすことで肌をケアします。
その中でも「ケミカル」ピーリングでは、主に化学薬品を肌に塗ることで皮膚をはがして治療を行います。
皮膚をはがすというと、痛そうなイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょう。しかし実際は、強い痛みを伴うような方法ではありません。
ケミカルピーリングではがされる「皮膚」とは、厳密にいえば「皮膚の表面にあるいらなくなった角質」です。
角質とは皮膚の一番外側を構成する組織で、もともと定期的にはがれて新しく入れ替わる性質があります。通常であれば、垢として排出されるものです。
この新しくなるサイクル(=ターンオーバー)が崩れると、にきびができたり肌がごわついたりというトラブルの原因になります。
ケミカルピーリングでは、このいらない部分をはがすことで健康的な肌環境を促します。お風呂に入って体を洗うようなイメージで覚えておきましょう。
ケミカルピーリングは男性のにきび跡にも効果がある?
肌の表面をはがしてすっきりさせるケミカルピーリングで、赤くポツポツ残るにきび跡を改善するイメージはつきづらいかもしれません。
肌表面の吹き出物であるにきび自体や、肌のざらつき等をケミカルピーリングで落とせることは予想がつきやすいでしょう。
どちらも、肌の表面にある「余分なもの」を取れば治療できるものです。
反対に、肌に色がついてしまう状態であるにきび跡は肌表面のトラブルという印象を持たれづらい症状です。
ですがにきび跡も、ケミカルピーリングでの治療が期待できる「肌表面のトラブル」といえます。
ここではにきび跡の原因や、ケミカルピーリングで治療を行うことの効果などについて見ていきましょう。
にきび跡が残る理由
にきび跡とは、にきびの腫れが引いた後も肌に凹凸や色素沈着が残ってしまう症状です。特に思春期にきびなどではよく、赤く肌荒れのような状態が残ります。
これは、にきびで炎症を起こした部分が上手く回復できずに新しい皮膚ができてしまった状態です。
にきびの膿がたまっていたところが穴のまま覆われると、そこだけ皮膚がへこんでしまいます。赤く炎症を起こしていた皮膚が変質して残ると、赤や茶色のプツプツになります。
また同じように注意が必要なのが、摩擦によって皮膚が変色してしまうことです。にきび周辺の弱くなった皮膚を、洗顔やふき取りで刺激することで起こります。
にきび跡のできる過程は他にもいろいろありますが、変質していたところがそのまま残ってしまうというのが基本です。
特ににきびをつぶしたり、頻繁に洗顔したりしてしまうと発生しやすいといわれています。
凹凸の改善が期待できる
ケミカルピーリングでは、皮膚の表面の余分な組織をはがすことができます。そのため、皮膚表面のざらつきが改善される場合があります。
乾燥などによる肌荒れでざらざらになった肌は、ケミカルピーリングを行うことでサッパリとできるかもしれません。
また前述のようにへこみの残ってしまったにきび跡でも、凹凸が浅ければ同じように改善される可能性があるのです。
にきび跡のへこみは肌そのものに穴が開いてしまっている場合と、穴自体は浅く余分な角質による土手ができてしまっている場合があります。
後者の場合だと、ケミカルピーリングで肌表面の角質をはがすことで凹凸の改善が期待できます。
肌表面に全く余分な角質が無いという人はほとんどいないため、基本的にはほとんどの人が肌のなめらかさを実感できるはずです。
にきび跡の色素沈着にも効果的
凹凸よりもよく見られるタイプのにきび跡が、赤や茶色のポツポツが残るものです。こうして皮膚が色づくことを「色素沈着」といいます。
パッと見ただけではにきびの炎症と区別がつかないこともありますが、にきび跡の場合は腫れや痛みが無く赤や茶色の変色だけが見られます。
これはにきびの炎症や、洗顔などの摩擦で変質した皮膚組織が残ってしまっている状態です。傷や炎症ではないため、傷薬や抗生物質では治療できないとされます。
というのもこの変質した皮膚組織は、肌表面を覆っている角質の一部になってしまっているからです。はがれる前の角質は、垢ではなく肌の一部です。
ケミカルピーリングは肌を覆っている角質の一部を強制的にはがすことのできる治療法のため、にきび跡の色素沈着にも効果的とされます。
思春期にきびなどが跡になって気になっているという方は、一度ケミカルピーリングに挑戦してみてもいいかもしれません。
何回の施術で効果が実感できる?
ケミカルピーリングによる治療を検討する際に、「どのくらいの期間がかかるのか」は誰しも気になるポイントでしょう。
どこでどんなふうに施術を行うにしても、回数によっては予算や予定をしっかり調整しなくてはなりません。
ここではケミカルピーリングの治療にかかる時間や、その理由について解説していきます。
肌をきれいにしたい目標の時期がある方や、なかなか先の予定を決めるのが難しいという方は特にチェックしてみてください。
複数回の施術が必要
結論から述べると、ケミカルピーリングでにきび跡を治療する際には複数回の施術が必要になります。4、5回から、多くて10回程度になる場合もあります。
というのも、ケミカルピーリングは「肌の表面」の環境を整える治療だからです。
不要な角質をはがすとはいっても、角質はかさぶたのように目に見えるほどの厚みはありません。
健康な皮膚が傷つかないよう、ごく表面だけをはがす治療になります。先に挙げたような、お風呂で垢を落とすような感覚です。
角質とは健康なものから不要なものまで、目に見えないほど薄い何枚もの層になっています。一度のケミカルピーリングでは、この表面をそっとはがすだけです。
通常時はこの層は不要になった部分からターンオーバーで勝手にはがれていきますが、にきび跡は不要な角質が残ってしまうことで起こります。
この角質がはがれ落ちるサイクルを、ケミカルピーリングで代わりに進めていくわけです。
これを繰り返して、最終的に全ての層を健康な状態にすると、それ以降はターンオーバーが正常化してにきび跡が改善されるといわれています。
よって、きちんとケミカルピーリングの治療効果を出すには複数回の施術が必要になります。
症状でも違いがある
ケミカルピーリングの必要回数は、にきび跡や肌トラブルの種類によっても異なります。
例えば皮膚の表面が赤くなっているにきび跡では比較的早く、4、5回ほどで効果が出始める場合もあります。
皮膚が茶色くなっているにきび跡は色素沈着が強いため、赤いものより長い時間がかかります。完全にシミになっているものでは、10回以上の施術が必要ともいわれます。
また肌に凹凸ができているにきび跡は、肌が色づいているだけの色素沈着より長い時間がかかります。
一度ご自身の肌の状態をきちんとチェックしてから、治療のスケジュールを立てることをおすすめします。
施術頻度は2週間に1回
ケミカルピーリングの施術は、どんなに早くても2週間に1回程度が適切といわれています。
というのも、ごく薄くとはいえ肌の表面をはがす治療を高頻度で行えば、逆に肌荒れなどのトラブルにつながってしまうためです。
不要になった角質は肌トラブルの原因にもなりますが、健康な角質は肌を外的刺激から守るバリアの役割を持っています。
短いスパンでケミカルピーリングを行うと、健康な角質まではがれてしまう危険性があるのです。そうなると、肌の防御力が低下して肌荒れなどの原因になります。
適切に肌のケアを行うため、無理に短いスパンでケミカルピーリングを行うことは必ず避けるようにしましょう。
効果には個人差がある
これはどんなトラブル・治療にもいえることですが、効果の出方はそれぞれの肌質によっても異なります。
特に顔の皮膚はデリケートな部位で、個性が出やすいともいわれます。敏感肌・乾燥肌・脂性肌などの言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
数回の施術で劇的に効果が出る人もいれば、十数回かけてゆっくりと効果を実感する人もいます。
まずは自分の肌のタイプを見極め、適切な治療方法で気長に付き合っていきましょう。
にきび跡をケミカルピーリングで治療する費用は?
ケミカルピーリングの施術は、クリニックで行われる治療の中でも「保険適用外」と呼ばれます。
心身の健康に直接的な影響を及ぼさない、美容医療の多くがこの保険適用外治療です。
保険適用外の治療では健康保険などの医療費免除が適用されず、クリニックごとに値段を決めることができます。
よってクリニックごとに価格が異なりますが、ケミカルピーリングを行う際の治療費の相場は1回4,000円〜1万円以下といわれます。
複数回の施術が前提となるため、まずは予算をきちんと決めるところから始めましょう。
具体的な治療の金額については、クリニックに直接相談することで確認できます。
今泉スキンクリニックではお客様のプライバシーに配慮した、個室でのカウンセリングや簡単な電話相談を受け付けています。
お肌のお悩みを解決したいと思ったら、ぜひ一度ご相談ください。
ケミカルピーリングでにきび跡は悪化する?
ケミカルピーリングについての口コミや感想をチェックしてみると、「にきび跡が悪化した」というコメントを見かけることがあります。
治療を行うことで、にきび跡の赤みが増したりヒリついたりという現象が起こっているようです。
実はこれは「皮膚の表面をはがす」という性質上、誰にでも起こりうる可能性のある症状です。
ケミカルピーリングによってはがされるのはごく薄い、不要になった角質層です。とはいえ、垢として排出されずに角質として残っている以上、はがすには多少の刺激が伴います。
特に敏感肌の人やもとの肌荒れが酷い人ほど、ケミカルピーリングによって肌の赤みやヒリつきが増す場合が多いです。
ですが人間の体には、傷ついた場所を自分で修復しようとするはたらきがあります。肌のごく表面を刺激することで、その性質を活性化することも期待できるのです。
これにより、肌のターンオーバーの正常化をより強く促すこともできるといわれます。
治療の流れ
続いて、ケミカルピーリング治療を行う際の大まかな流れを確認していきましょう。
美容皮膚科という特殊な治療を行うクリニックでも、基本的には通常の病院にかかる際と大きな違いはありません。
特別に用意するものもない場合がほとんどです。気負いすぎずに来院してみてください。
カウンセリング
どんな治療でも、一番最初は直接症状を見て診察することから始まります。
特にケミカルピーリングでは、繊細な顔の皮膚に対して治療を行います。ひとりひとりの肌質に合った、適切な方法を見極めなくてはなりません。
自分の悩みや肌の癖など、思い付くことはなんでも伝えるようにしましょう。
治療
医師によるカウンセリングで治療方針を定めることができたら、いよいよ施術を行います。
ケミカルピーリングは院内の洗面所などで洗顔をする以外は、ほとんどベッドに横になった状態での治療です。
ピーリング用の特殊な薬剤を顔に塗布し、角質が柔らかくなるのを待ってから洗浄します。場合によっては、その後に保湿などを行うこともあります。
治療メニューに入っていない場合でも、ケミカルピーリングを行った後には必ず念入りに保湿を行うようにしましょう。
施術直後は肌が過敏になるため、激しい運動や湯船につかることなどを控える場合がほとんどです。
肌が熱を持ったり乾燥したりすると、一時的に肌荒れやにきび跡が悪化したように見える原因にもなります。
治療期間中は、普段以上に肌に刺激を与えないように心がけるのがおすすめです。
終了
ケミカルピーリングの治療では、複数回をまとめて契約するより1回ごとに通院する場合が多いです。
基本的には、自分で満足のいく効果が出たところで終了となります。
この時、治療が終わったからといって乾燥・摩擦・紫外線などの過度な刺激を肌に与えることのないようにしましょう。
ケミカルピーリングは、肌の表面をはがしてターンオーバーを促すことで「環境を整える」という治療です。
治療の効果を続かせるには、きちんとその環境を守っていくことが必要になります。
受診したクリニックの先生などとも相談しながら、自分の肌に合った生活を心がけましょう。
今泉スキンクリニックでは、お客様ひとりひとりの肌悩みに寄り添ったカウンセリング・治療を行っています。
事前のご相談はもちろん、治療中・治療後の生活についてもぜひお気軽にお尋ねください。
ケミカルピーリングで気になるにきび跡を改善しよう
ここまでに解説してきたように、ケミカルピーリングは肌の表面に直接手を加える治療法です。刺激が大きく注意点も多いぶん、大きな効果が期待できます。
思春期にきび・大人にきびなどは誰にでも起こりうるものであり、にきび跡もまた誰にでも発生しえます。
鏡を見るたびに気になってしまうようなにきび跡は、ケミカルピーリングでの治療を検討してみてはいかがでしょうか。
まずはカウンセリングを受けてみよう
今回の記事では、ケミカルピーリングでにきび跡を治療することについて解説してきました。
これを見たことで、治療を検討する方もいるでしょう。
ケミカルピーリングを受けたいと思ったら、まずはプロの医師に相談できるカウンセリングを予約しましょう。
顔の皮膚は敏感なうえ、とてもよく目につく場所でもあります。プロの目線で肌質を見極めてもらい、自分に合った方法やテンポで丁寧に治療していきましょう。
【記事監修】今泉 明子
今泉スキンクリニック 院長 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
聖マリアンナ医科大学を卒業後、皮膚科医として経験を重ねるほか、米・ニューヨークの大学で研究に従事。帰国後、都内の皮膚科クリニック院長を経て、今泉スキンクリニック(六本木)を開院。
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