美容コラム
AGA治療の副作用を徹底解説|副作用のリスクを高める行為や投薬以外の副作用・対処法もご紹介します
成人男性が発症するとAGAは、薄毛や抜け毛といった症状が進行していくのが特徴です。少しでも早く治療をしたいものの、治療には時間もお金もかかります。
また治療を開始しても、副作用による影響や対処法に不安を抱き治療を始められないと思っている方も少なくないでしょう。
そこで今回はAGA治療の副作用について詳しく解説します。その他に、副作用を高める行為や投薬以外の副作用などについても解説しましょう。
AGA治療にはリスクもある
AGA治療に限らず「薬」には作用と副作用があります。どんな病気に対する治療にも少なからずリスクはあるでしょう。
AGAは病気ではあるものの、徐々に進行し改善していくまでに時間を要します。治療には薬を使用するため、リスクについて知っておくことが大切です。
しかし、AGA治療は命にかかわる大きな病気ではないため自由診療になります。公的保険適応もないため、治療費は全額自費です。
一般的なAGA治療の費用は8,000円〜10,000円程度になります。当院では内服が9,900円・外用が9,460円です。
代表的なAGA治療の副作用
AGA治療薬には、大きく分けて2種類の治療薬があります。
- 既存の毛髪を守り育てるという育毛にアプローチを目的とした薬
- 新たに毛髪を生やすことや、薄毛や抜け毛を改善し太い毛髪へと成長を促す発毛にアプローチを行う薬
薬には特徴があり効果の現れ方にも違いがあるため、それぞれご紹介しましょう。
ミノキシジル
元々は血管拡張作用があることから高血圧の治療薬として、過去に使用されていました。副作用のひとつに多毛症状があり、そこから発毛薬として開発が進められた薬剤です。
毛細血管の血流が良くなることで毛母細胞に栄養がスムーズにいくだけでなく、発毛因子を促す働きもあり、発毛の観点からアプローチできる薬剤になります。
ミノキシジルは外用薬と内服薬がありますが、厚生労働省の承認を得ているのは外用薬のみです。一方、内服薬は国内外問わず未承認になります。
副作用としては内服薬では血管拡張作用に伴い血圧が下がることから、めまいや動悸といった症状が発症する可能性があります。
外用薬は直接、頭皮に塗布するため、痒みや発疹などの頭皮トラブルが挙げられます。しかし、副作用の発症は少ないです。
サガ―ロ(デュタステリド)
サガーロはデュタステリドを主成分としており、AGA発症の原因といわれている「DHT(ジヒトロテストステロン)」を抑制する働きがあります。
結果として脱毛因子を減少する働きがあるといわれています。AGAの症状である脱毛や薄毛改善・発毛効果が期待できる内服薬です。
副作用としては、デュタステリドによる男性ホルモンへの影響による男性機能の低下が生じる可能性があるでしょう。
その他にも肝機能障害・食欲不振・嘔気などの症状が起こる可能性があります。
サガーロは厚生労働省の承認を得ている内服薬で、男性への効果の高さより日本皮膚科学会でも良い評価を得ている薬です。
プロペシア(フィナステリド)
プロペシアはフィナステリドが主成分の内服薬です。
サガーロ同様、AGA発症の原因といわれている「DHT(ジヒトロテストステロン)」の増殖を抑制する働きがあり、抜け毛や薄毛の改善が期待できます。
さらにAGAの根本原因を抑制する効果があるため、AGA治療で有効な薬とされています。
副作用としてはサガーロと同様に、男性機能の低下・肝機能障害・食欲不振・嘔気といった症状が起こる可能性があるでしょう。
プロペシアもサガーロ同様、厚生労働省の承認を得ている内服薬です。
副作用のリスクを高める行為
薬には副作用はあるものの、医師の指導の元で正しく使用すれば副作用のリスクを軽減することは可能です。
しかし、正しく使用しなければ副作用のリスクを高める可能性があります。副作用のリスクを高める行為を知ることで、正しくAGA治療を進めていきましょう。
医療機関以外での薬の入手
AGA治療は医師の診察がなくても、ネットや個人代行輸入にて入手することはできます。
しかし、未承認医薬品等になるため、未知の副作用が出る可能性が非常に高いです。
また、ネットや個人代行輸入にて入手した薬は入手経路も不明なことが多く、安全性の確保は難しいといえます。
そのため、医療機関以外で入手した薬を使用するのはリスクを高める危険性があるため、必ず医療機関で処方してもらいましょう。
特に未承認の内服薬であるミノキシジルは心臓や肝臓に負担がかかることから、医師の判断の元で処方してもらうことが良いです。
当院でもミノキシジルの内服薬を取り扱ってはいるものの、医師の判断の元で処方するため安全性が高いといえます。
摂取量を守らない
AGAの症状や進行は個人差があり、治療方法や治療期間は様々です。そのため、治療には一定期間の継続が必要不可欠になります。
しかし、効果を求めるあまり医師が定めた用量を自己判断により増やす方もいるでしょう。増やす=早く効果が現れるわけではありません。
医師はAGAの進行や症状など総合的に判断し、一人ひとりに適切な用量を処方しています。自己判断で増やしてしまえば、体調に異変をきたしてしまう可能性があるでしょう。
また、効果がないと自己判断し、治療を中止するのも良いとはいえません。治療を中止することで、薄毛が進行してしまう可能性があるのです。
効果が現れるまで6ヶ月〜1年ほどかかります。AGA治療は長期的な治療になることが多いため、病気やケガのようにすぐ効果が現れるわけではありません。
いずれにせよ、ご自身だけで悩まず医師に相談しましょう。
生活習慣の乱れによる体調不良
AGAの原因は遺伝などの先天的な要因だけでなく、生活習慣も大きく関わっています。
食事・睡眠の不摂生・運動不足といった生活習慣の乱れにも、AGA発症や進行に影響を与えているでしょう。
食事面では、偏った食事や過度の食事制限によるダイエットも要因になります。
必要な栄養が不足することで、髪の毛を作るのに必要なタンパク質やミネラルといった栄養素が不足する可能性があるでしょう。
また、飲酒や喫煙により血流の悪化や代謝が乱れて髪に必要な栄養素が行き渡りにくくなり、AGA発症や悪化の恐れがあります。
その他にも、睡眠サイクルが乱れ寝不足になることで、ストレスの影響を受けやすいです。自律神経やホルモンの乱れ、運動不足による影響も懸念されます。
AGA治療の副作用は投薬以外でも起こる
AGA治療の一般的に投薬治療が多いですが、投薬治療以外にも方法があります。しかし、治療になるため少なからず副作用が起こる可能性はあります。
それぞれの治療方法の副作用について解説しましょう。
ミノキシジル育毛剤
AGA治療の有効性が認められているミノキシジル育毛剤は直接頭皮に薬を塗るため、前述のとおり皮膚トラブルの副作用が多い傾向です。
皮膚の痒み・赤み・紅斑などが見られます。しかし、内服薬と比較すると重篤な副作用はほとんどなく、比較的安全に塗布できるでしょう。
植毛
AGA治療の一般的に外用薬や内服薬ですが、外科的治療がありそれが植毛になります。
AGA症状の影響を受けない、側頭部や後頭部の毛髪を薄毛が進行している部分に自毛を移植する治療です。
ご自身が希望する部位に毛髪を増やすことができ、さらにAGA症状の影響を受けない部分のため半永久的に生え変わります。
しかし、手術を行うため少なからず副作用があり、考えられる副作用は下記が挙げられます。
- 麻酔によるまぶたの腫れ
- 植毛部位や毛髪を採取した部位の赤み・腫れ・痛み・傷
- デザインが不自然
医師の技量が試される治療であるため、クリニックを選ぶ際は医師の実績・経験・症例紹介などを重視して選ぶと良いでしょう。
レーザー治療
レーザー光でAGA治療を行うことも可能で、投薬をせずAGA治療が行える方法です。
気になる部位に低出力レーザーを当てることで発毛因子の分泌を刺激し、血行を促進する働きがあり新陳代謝の改善・炎症抑制作用などが期待できます。
AGA治療の中では副作用が少なく、頭皮の痒み・乾燥・治療中に感じる熱さです。
当院でも一般的なAGA治療薬に加え、特殊な機器を用いた頭皮治療を導入しています。患者さん一人ひとりに合った適切な治療を提案します。
AGA治療の副作用以外の注意点
AGA治療では副作用以外にも注意すべき点があります。守らなければならない注意点もあるため、ぜひ参考にしてください。
子ども・女性の誤飲
ミノキシジル・ザガーロ・プロペシアといったAGA治療薬は効果が高く、薄毛の進行抑制や発毛の促進を手助けします。
一般的に誰が飲んでも良いものではあるものの、子どもや女性が内服すると危険性が増す可能性があるのです。
もし、子どもが誤飲してしまえば、薬の代謝による消化器官へのダメージや血管拡張作用による心臓への負担が考えられます。
また、女性でも妊娠を希望する女性が誤飲すると男性胎児の生殖器の奇形を生じさせる可能性があるのです。
薬自体触ることも良くなく、成分が経皮吸収するという報告もあります。
そのため、AGA治療薬を服用する方は保管はもちろん、内服時期にも気を付ける必要があるのです。
服薬中は献血しない
AGA治療薬の中には、男性ホルモンに働きかける作用を持っている薬が多数あります。前述でもお話しましたが、子どもや女性には適さない薬です。
そのため、老若男女問わず必要な献血を行う際は服用中は避けるようにしましょう。
もし服用中に献血をしたら、血液中に成分が入っている可能性が高いです。輸血を必要とする方の中には子どもや男児を妊娠中の女性がいる可能性もあります。
もし成分が入った血液を輸血した場合、生殖器の奇形が生じてしまう恐れがあることが懸念されるでしょう。
そのため、AGA治療中には献血はできないということをしっかり覚えておいてください。
AGA治療で副作用が出た場合の対処法
実際、AGA治療を開始し副作用が出たとき、どのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、副作用が出た場合の対処法をご紹介します。
薬の量・種類を変える
まず最初に行う対処法として、薬の量や種類を変えましょう。副作用が起きた要因として、量が合わないことや薬の成分が体に合わないことなどが考えられます。
効果が現れるまで時間を要するため、副作用の出る薬を飲み続けるのは良いとはいえません。また、継続していくことで効果を得られます。
そのためにも用法用量を正しく守り、ご自身の体質に合った薬を服用し継続していくことが大切です。
医師に相談する
副作用は絶対出ないと言い切れることはないものの、出る確率はそれほど高くはありません。しかし、副作用が出たら薬の服用は中止し、副作用が出たことを医師に相談しましょう。
自己判断し治療自体を中止にしてしまえば、以前より薄毛が進行する可能性があるため、自己判断は避けましょう。
AGA治療の副作用が不安なときは
AGAは進行する脱毛症であるため、放っておいても良くなることはありません。そのため、早期にクリニックに受診しましょう。
しかし、AGA治療には副作用を伴うこともあるため不安を抱えている方もいるでしょう。
AGA治療には副作用の少ない治療方法を提案するクリニックもあるため、まずはカウンセリングを行うと良いです。
当院では比較的副作用の少ない育毛療法を多数ご用意しています。
- HARG療法
- へフィラー
- ステムセルセラス
- HARG+ヘアフィラー
これらは保険適用外になる治療になるものの、副作用が少ないといわれる再生医療やヒト幹細胞胞培養上清液を利用しています。
とはいえ、頭皮に直接注入することから皮膚の痒みや痛みなどの炎症が見られる場合があるでしょう。副作用の多くは一時的に現れるものです。
また、HARG療法は日本医療毛髪再生研究会の承認を得たクリニックでしか受けることはできません。
HARG治療の費用は61,600円から、HARG治療+ヘアフィラー4回1クールの費用は4回分で176,000円です。
薬剤を注入するための注射はフランス製のジェット注射器(U225)を使用しています。薬剤を均一かつ素早く注入できるため、痛みも軽減できるのです。
痛みや副作用が少なく、最先端の技術でAGA治療を検討したい方は一度当院にカウンセリングをご予約ください。
AGA治療は信頼できるクリニックで
AGAになる背景は一人ひとり違うため、治療方法も十人十色です。そのため、様々な治療方法を提案する信頼できるクリニックを選ぶことがポイントになります。
ご自身の症状と類似した症例や治療実績が多いクリニックを中心に選ぶと良いでしょう。
当院では一般的なAGA治療薬をはじめ、最先端の医療技術を取り入れ、その中から一人ひとりにあった治療方法を提案します。
ハンドスコープを用いて頭皮や毛髪の診断を行い、適切な治療方針に努めています。
長期治療になるからこそ、患者さんとしっかり向き合うことを大切にしているのです。
ご自身の悩みを解決するためにも、まずは一度カウンセリングを行ってはいかがでしょうか。
【記事監修】今泉 明子
今泉スキンクリニック 院長 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
聖マリアンナ医科大学を卒業後、皮膚科医として経験を重ねるほか、米・ニューヨークの大学で研究に従事。帰国後、都内の皮膚科クリニック院長を経て、今泉スキンクリニック(六本木)を開院。
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