美容コラム
第二の脳「腸活」で、肌も若返る?
「腸は第二の脳」「肌は腸を映す鏡」などと、言われていますね。脳と腸は神経伝達物質を通じてつながっているため、互いの状態が影響し合いストレスを感じたり、不安があると腸の動きも悪くなってしまうのです。また腸内の細菌と上手に付き合うと、美容にもたくさんのメリットを与えてくれます。
そう、「腸活」は、若わかしい美肌への鍵なのです。今回はそんな“腸”にスポットを当ててみましょう。
脳腸相関=脳と腸の不思議な関係
「脳腸相関」という言葉をご存知ですか?脳と腸は相関(たがいに関わり合うこと)関係にあるという意味です。ここ最近、腸の状態が脳と密接な関係を持っていることが分かり、注目が集まっています。
かつて手足の動作や内臓の働きなど人間の体の動きは、すべて脳からの指令、コントロールによるものだとされていました。ところが驚くべきことに、腸は「腸神経系」と呼ばれる独自の神経系を持ち、この神経系の働きによって脳からの指令がなくても自活できるそうです。
また、生物の誕生の過程でまず腸ができ、そこから腸を機能させるために、神経などが進化しながら脳ができたと言われています。もしかしたら腸が誕生しなければ脳の存在はなかったかもしれません。そう考えると、脳と腸とは不思議で神秘的な関係ですね。
脳内物質は、実は腸で作れている?
私たちの腸には約1000種類、約1000兆個もの菌たちが生息しています。例えば傷んだものを食べて、食中毒菌などの有害物質が腸内に入ったときに、食べ物を吐いたり、下痢をしたりして体外に出そうとするのは、腸自身が危険を感じて起こすもの。
また、ストレスや不安、緊張などを感じると、腹痛や下痢、便秘になるのは、脳から腸へ刺激が伝わるため。逆にお腹の調子がわるくなれば、気分がすぐれず不安や緊張が増すように、双方が影響し合っているのです。
さらに、腸内に存在している細菌は、体の中にあるドーパミンの50%、セロトニンに至っては90%を生成していると言われています。ドーパミンは快楽を与える物質で、セロトニンは安心感につながる物質。おいしいものを食べると幸せな気持ちになるのは、こういった作用が関係し、脳内のホルモンも腸で作られていると言えるのかもしれません。
腸を若返らせて、お肌もアンチエイジング!
目には見えない人間一人の腸内細菌を重さにすると、なんと2㎏以上、大腸だけで1~1.5㎏にもなるとか。この腸内細菌が、美や健康はもちろん、寿命までもコントロールしていると言われています。腸内細菌は、大きく3つに分けられます。美と健康に有益な”善玉菌”、老化を進める原因になると言われる”悪玉菌”、そして、状況によって善玉に加勢したり、悪玉に加勢したりする” 日和見(ひよりみ)菌”。この3種類のバランスが整っていれば「キレイな腸」であると言えます。
理想のバランスは、悪玉菌よりも善玉菌が優勢な状態であること。美肌のために有用な栄養素を作るなど、有益な働きをする善玉菌は、悪玉菌を抑える働きもあるのです。一般的に、健康な人は20%が善玉菌、10%が悪玉菌、70%が日和見菌と言われています。
<善玉菌を増やす発酵食品>
・ヨーグルト・チーズ・納豆・みそ・ぬか漬け・塩麹
腸内環境がよければ、肌に調子も上々に。
年齢を重ねると人の身体が老化するように腸も老化し、善玉菌の数が減少するなどして、この腸内細菌のバランスが崩れやすくなります。
悪玉菌が優勢になると、肌にも身体にも悪影響。いつまでも健康で、肌も体型も若々しくあるためには、意識して腸を若く保つことが大切なのです。
身体の老化も感じないし、まだ大丈夫と思っている人も安心するのは、要注意。腸年齢と実年齢に大きな差がある場合がとても多いのです。
また、野菜不足、肉の摂り過ぎ、運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスといった生活習慣によっても、腸内環境は悪玉菌が優勢になり腸の老化を進め、美肌を損ねてしまう原因になります。
さらに、「便秘と美肌」は切り離せない関係です。便秘が続くと有毒な物質も排出されず腸内環境は悪化し、腸内細菌のバランスも乱れ、肌にも悪影響がでます。
便秘を防ぐために、水分量を増やす働きのある水溶性食物繊維と、腸を刺激し便量を増やす不溶性食物繊維の両方を摂りましょう。なるべく多くの種類の野菜に加えて、きのこ類、いも類、豆類、海藻類をそれぞれひとつずつは、毎日の食事に取り入れるようにしましょう。
いかがでしたか?近年は、美腸、腸活、菌活といった言葉が流行り、関心が高まっています。心身ともに健康でキレイな肌を手に入れたいなら、腸内環境によい食生活が必須ですよね。
腸活のために食物繊維、乳酸菌、発酵食品を意識した食事で、美肌をめざしてみませんか。
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