美容コラム
脱毛は毛の成長サイクル「毛周期」に合わせることが重要?部位別の毛周期や無視して脱毛した場合のリスクも解説します
近年、脱毛したいと考えている方は非常に多く、毛の処理や方法を探している方も多いでしょう。
また、現在脱毛中の方の中には、中々効果が感じられないと思っているケースもあるのではないでしょうか。
実は、脱毛は「毛周期」に合わせて行うことが非常に重要です。まだ脱毛したことがないのであれば、抑えておきたいポイントでもあります。
そこで、本記事では毛の成長サイクル「毛周期」に合わせて脱毛する重要性を解説します。部位別の毛周期や無視して脱毛した場合のリスクもご紹介するので、参考にしてください。
脱毛は毛の成長サイクルが重要!
脱毛にもいくつか種類があり、代表的な脱毛方法としては次のようなものが挙げられます。
- 医療レーザー脱毛
- 美容ライト脱毛
- 美容電気脱毛(ニードル脱毛)
医療レーザー脱毛は、出力の高い脱毛器を使った脱毛方法です。一度の施術で高い効果を望めるタイプの方法となります。
一方で、美容ライト脱毛は、効果を得られるまでの時間がかかります。しかし、レーザー脱毛と比べると、安全性が高く痛みが少ないです。
また、医療レーザー脱毛と美容ライト脱毛は、毛根部のメラニン色素に反応する光を当てるタイプの脱毛に分類されます。
美容電気脱毛は、毛包に電極を挿入して、電気を流すことで発毛組織を処理する方法です。即効性と確実な永久脱毛が可能な点が特徴となります。
そして、これらの脱毛方法を行う際に重要なのが、毛がある状態が最も適切なタイミングであることです。
レーザー脱毛や美容ライト脱毛などの場合、毛がない状態では、メラニンへの反応がうまくいかず適切な処理が行えません。
美容電気脱毛の場合も、表面に生えている毛がなければ処理を行えないため、毛がないタイミングでは効果がないのです。
そのため、毛の成長サイクルである毛周期を把握して、適切なタイミングに合わせて脱毛を行うことが非常に重要です。
毛の成長サイクル「毛周期」とは
毛の成長サイクルである毛周期を把握することが大切とご紹介しましたが、どのようなサイクルで回っているのでしょう。
適切なタイミングでの脱毛を行うためには、毛周期の詳しい内容を知ることが必要です。そこで、ここでは毛周期の中のそれぞれの時期と毛の状態をご紹介します。
成長期
成長期とは、毛が成長して伸びている時期のことです。その中でも、次のように分けられます。
- 成長期前期
- 成長期後期
成長期前期は、毛乳頭から栄養を受け取り、毛母細胞が分裂して毛が伸び始める時期となります。毛は、皮膚の表面から外に出ていない状態です。
次に成長期後期となると、さらに毛母細胞が活発に分裂を行います。そして、毛が皮膚の外まで出るような状態となります。
退行期
退行期は、成長期後に訪れる、毛が毛穴から抜け落ちる準備を始めるタイミングです。すでに毛の成長は止まっており、ある程度の長さまで成長している状態となります。
そして、徐々に毛根が押し上げられています。この時期の毛は、メラニン色素が薄くなっているという点も特徴です。
休止期
休止期は、退行期の後に訪れる時期で、新しい毛が生えるまでの期間です。休憩期間といえます。
毛は、毛根との繋がりが完全に切り離されて抜けている状態です。毛穴の中の毛は無くなっています。
休止期を終えると、再び毛母細胞が活発に分裂を始め、成長期に入る流れです。
脱毛は毛周期の成長期に行う必要がある
毛周期の詳細な時期やその時の毛の状態をご紹介しましたが、その中でも脱毛に適している期間は限られています。
脱毛に適した時期は、成長期です。レーザー脱毛や美容ライト脱毛のような、メラニン色素に反応する脱毛方法は、色素が濃くなければ光が届きません。
成長期は、毛が十分黒いため、光が毛根までよく届きます。しかし、退行期や休止期はメラニンが薄く、毛もない状態です。
そのため、この時期に光を当てても毛根まで届かないのです。また、美容電気脱毛も同様に、成長期に行う必要があります。
美容電気脱毛は、表面に見えている毛をたどって、毛根に針を挿入して電気を流します。
退行期や休止期では、毛が毛根から離れていたり、毛がない状態であったりするために効果が得られません。
このように、脱毛する際には、成長期に合わせて行う必要があるのです。
部位別の毛周期
毛周期と脱毛のタイミングの重要性をご紹介しましたが、毛周期は部位別に違うことをご存知でしょうか。
脱毛したい部位によっては、今すぐには取りかかれない場合もあります。適切なタイミングを逃さないためにも、部位別の毛周期を把握しておきましょう。
顔・口周り
部位別で毛周期は異なるため、大まかな成長期と休止期の期間を把握することは非常に大切です。
顔・口周りの成長期は4ヶ月〜1年をかけて、ゆっくりと毛が成長していきます。成長が止まり休止期の期間は約2ヶ月〜3ヶ月程度あります。
そして、休止期が終わると、再び成長期に入っていくという流れです。個人差やパーツごとにも若干の期間の違いはありますが、おおよそ6ヶ月〜1年3ヶ月程度の毛周期となります。
全身
全身の毛周期も、背中や腕などのパーツの違いや個人差もあるため、全員が同じというわけではありません。
しかし、おおよその成長期が3ヶ月〜4ヶ月程度となります。休止期は約4ヶ月〜5ヶ月程度となり、毛周期は7ヶ月〜9ヶ月程度となります。
脚下
脚下の成長期はおおよそ3ヶ月〜4ヶ月程度であり、休止期が5ヶ月〜6ヶ月程度となります。全身の毛周期と同程度であり、約8ヶ月〜10ヶ月程度です。
脇・太もも
脇や太ももの毛周期は、他の部位よりも比較的短い傾向です。おおよその成長期が4ヶ月程度となり、休止期に移行します。
休止期の期間は約3ヶ月程度です。そのため、毛周期は7ヶ月程度となります。
VIO
VIOは、個人差がありますが、どの部位よりも比較的長居毛周期になる点が特徴です。成長期はおおよそ1年〜2年かかります。
また、休止期は約1年〜1年半程度かかります。そのため、毛周期は2年~3年程度の期間です。
VIOのような毛が濃く、長く伸びる毛の場合は、毛周期のサイクルが長くなることが分かっています。
毛周期を無視して脱毛した場合
部位別の毛周期をご紹介し、毛周期に合わせた脱毛を実施する重要性が分かった方も多いでしょう。
しかし、この毛周期を無視して脱毛した場合は、何か問題があるのかと疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
実は、毛周期を無視した場合、肌のトラブルを招いたり費用がかさんだりするケースがあります。
知らずに無視し続けては、正しく脱毛効果が得られないため、毛周期を無視した場合のリスクもしっかりと把握しておきましょう。
脱毛の効率が悪くなる
毛周期を無視して脱毛を行った場合、まずは脱毛の効率が非常に悪くなる可能性があります。
先述したように、毛には成長期があります。成長期では毛が十分生えそろっており、そのタイミングで脱毛を行うことで、レーザーなどの脱毛効果が十分発揮される仕組みです。
しかし、毛周期を無視した場合、正しく脱毛効果が得られません。
すると、無駄に脱毛回数を重ねることとなってしまいます。例えば、脱毛を受けてから2週間後に、再び脱毛を受けたとしましょう。
しかし、この時には毛が十分に生えそろっていないため、脱毛効果は薄いです。そして、2回目の脱毛後に、生えてくる毛が気になり再度脱毛を行うことになります。
このような無駄な脱毛を繰り返すと、脱毛回数や期間の長期化を招きます。脱毛のメニューによっては、効率が悪くなるだけでなく、費用負担も大きくなってしまいかねません。
肌トラブルに繋がる
毛周期を無視することで、肌トラブルに発展する可能性もあります。先述したように、レーザーなどによる脱毛は、毛や毛根に働きかけて行う仕組みです。
そのため、毛がなければ十分な効果が得られません。それにもかかわらず光を当て続けていると、色素沈着や熱による火傷を引き起こす可能性があります。
通常のサイクルで行う脱毛と比較した場合、不要な肌トラブルを引き起こす可能性が高まってしまうため、毛周期は決して無視しないようにしましょう。
万が一、炎症などの肌トラブルを引き起こしてしまった場合、炎症部分を避けての脱毛となります。
炎症が重度な場合は、施術そのものが受けられないこともあるでしょう。そうなると、脱毛完了までの期間の延長や費用がさらにかかる場合があります。
肌トラブルと安易に考えることなく、きちんと医師との相談のうえで決めた、スケジュールや毛周期に合わせた脱毛が非常に重要です。
今泉スキンクリニックでは、丁寧なカウンセリングの元、適切なサイクルでの施術を進めていきます。
効率悪化や肌トラブルの心配はありませんので、ご興味のある方は是非一度ご相談ください。
脱毛が完了するにはどのくらいの期間かかる?
脱毛が完了するまでの期間は、脱毛部位によって異なります。脱毛部位によって、施術間隔があり、1回施術を行うとある程度の期間を空ける必要があるのです。
例えば、全身脱毛の場合、施術間隔は約3ヶ月〜4ヶ月程度に1回のペースが目安となります。また、1回の施術で全てできるわけではありません。
1回の施術で行える範囲は、全体の20%程度となります。そのため、合計5回程度は施術を行う必要があり、完了期間にすると約1年〜1年半程度かかるでしょう。
脇脱毛の場合であれば、施術間隔は約2ヶ月〜3ヶ月程度に1回のペースで約5回〜8回の施術が必要となります。そのため、脱毛完了の期間としては、1年〜2年程度必要です。
また、個人差が大きい部位によっては、完了期間の幅も広いです。例えば、ひげの場合は、脱毛が完了するまで半年〜2年半と非常に幅広くなります。
標準であれば2ヶ月〜3ヶ月に1回の施術となりますが、ひげは他の部位に比べると、レーザーが毛根まで届きにくい傾向です。
そのため、実施する回数に個人差が生まれやすく、回数が増えると完了までの期間が長くなってしまうのです。
さらに、どの部位を脱毛するにあたっても、適切な施術期間を空ける必要があります。
この期間を空けない場合、先述したような脱毛効率の半減や肌トラブルを引き起こす可能性が高いです。
適切な期間を空けることで、肌トラブルを未然に防ぎ、可能な限り短期間での脱毛を可能とするのです。
施術期間を空けることも考慮すると、脱毛が完了するまでの期間は、どの部位でもおおよそ1年〜1年半は必要であることを把握しておきましょう。
脱毛するサイクルはクリニックに相談することがおすすめ
脱毛は、毛周期に合わせて、適切なタイミングで行うことが必要です。毛周期を無視してしまっては、施術の効果を半減させ、思わぬ肌トラブルを招く可能性があります。
しかし、毛周期を正確に把握することはまず不可能です。その理由は、まず毛周期には個人差があるためです。
決まった周期があるわけではないため、はっきりと断定できません。また、同じ部位であっても、1本1本で毛周期は違います。
さらに、皮膚表面から伸び出ている毛についても、成長期と退行期があって見分けがつきません。
そのため、脱毛するサイクルはクリニックとの相談をしたうえで決めることが非常に大切です。
今泉スキンクリニックでは、丁寧なカウンセリングと施術前の診断を行ったうえで、患者様に合わせた脱毛サイクルをご提案します。
脱毛に関する不安な点や悩みなども、一緒になって解決しますので、是非一度ご相談ください。
カウンセリングのご予約は、下記のボタンからご利用いただけます。
脱毛をお考えの方は是非今泉スキンクリニックへご相談ください
毛の濃さやムダ毛の量でお悩みの方は多いです。脱毛を考える方や、現在施術を受けている方もいるでしょう。
しかし、施術はいつでも良いわけではありません。毛周期に合わせて行うことで、効率良く、肌トラブルを発生することなく脱毛できるのです。
正しく効果を得るためには、きちんと専門の医療機関に相談して、脱毛のサイクルを立てることが重要です。
今泉スキンクリニックでは、丁寧なカウンセリングのもと、患者様に合わせた脱毛を行います。
毛でお悩みの方や脱毛をお考えの方は、是非今泉スキンクリニックにご相談ください。 【記事監修】今泉 明子 今泉スキンクリニック 院長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 聖マリアンナ医科大学を卒業後、皮膚科医として経験を重ねるほか、米・ニューヨークの大学で研究に従事。帰国後、都内の皮膚科クリニック院長を経て、今泉スキンクリニック(六本木)を開院。