美容コラム
男性の脱毛症の原因について徹底解説|症状の種類や治療方法についても詳しく紹介します
透けて見える頭皮が気になっていませんか?実は、日本はアジア圏ではトップクラスに薄毛率が高い国です。
AGAクリニックで発毛治療を始める男性も年々若年層が増え、患者さんの平均年齢は20〜30代ともいわれています。
幸い、男性が発症しやすい男性型脱毛症はある程度治療法が確立されている病気です。
薄毛対策先進国でもあるので、治したい気持ちさえあれば何とかなる確率が高いでしょう。ここでは男性特有の脱毛症の種類や原因、治療方法について最新情報をお伝えしていきます。
男性に多い脱毛症の種類と症状
男性も女性も髪が抜ける現象は共通していますが、脱毛症の具体的な症状や原因は男女で随分異なります。男性は男性特有の抜け方、抜ける原因があるので特に多い3つの脱毛症について詳しくみていきましょう。
男性型脱毛症(AGA)
いわゆる若ハゲといわれる男性型脱毛症(AGA)は、年齢が若くても発症する傾向があり10代で発症するケースもあります。
データによると20代の日本人男性の3人に1人はこのタイプの抜け毛に悩まされているほど、身近な脱毛症です。実際、男性型脱毛症はいつ発症してもおかしくありません。
なぜなら加齢ではなく、男性ホルモンと遺伝の影響を受けやすい脱毛症で生まれつき発症リスクが高い体質の方もいるのです。
しかも、一旦発症した以上専門の治療を受けない限りどんどん進行する病気です。
同じ男性型脱毛症でも抜け方によって3つのタイプに分類されます。
- 額の生え際から髪が減っていくM字型
- 頭頂部の頭皮が透けていくO字型
- 前頭部から薄毛が進行するU字型
髪が全体的に薄くなる女性型脱毛症(FAGA)に対して、男性型脱毛症の場合は髪が抜ける部分がこの3ヶ所に集中しています。
円形脱毛症など男性がかかる他の脱毛症は、頭のどの部分が抜けてもおかしくありませんが、男性型脱毛症の場合は後頭部や即頭部の髪が抜けることはほとんどありません。
いずれにしても血液検査など専用の検査を受ければ、AGAの診断や発症リスクをチェックすることが可能です。
父親or母方の祖父(母親の父親)のどちらかがAGAなど、なりやすい条件がかなり具体的にわかっています。
思いあたる方は早めに毛髪や血液検査&カウンセリングを受けた方がよいでしょう。
男性型脱毛症の診断が確定次第、進行を食い止める治療を始めることをおすすめします。
円形脱毛症
円形脱毛症になると円形状に髪の毛が抜ける特徴的な症状が出るため、ご自身でも比較的簡単に発症したことを自覚できます。
円形状の脱毛斑が2ヶ所以上できる多発型もあります。
昔からよくある脱毛症ですが、はっきりしたメカニズムはいまだ解明されていません。ストレスがきっかけになりやすいことが多いようですが、ケガ・風邪・胃腸炎・過労・出産・睡眠不足なども発症原因として指摘されています。
症状がひどくなると脱毛範囲が広がっていく恐れがあるため放置は禁物です。
生え際や側頭部までごそっと抜け落ちてしまうケース・頭の髪の毛がすべて抜けてしまうケース・眉毛など体毛まで抜ける深刻なケースも報告されています。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症も男性が発症しやすい脱毛症の1つです。元々脂漏性皮膚炎という皮膚炎がきっかけになり発症します。
皮脂が必要以上に分泌され肌や頭皮がベタベタになります。過剰な皮脂のせいでニキビや湿疹、炎症が引き起こされるので、頭皮環境も著しく悪くなり髪の毛が抜け落ちやすくなるのです。
自然治癒しにくい病気なので、医療機関で専門の治療を受けない限り自然に治ることはあまり考えられません。
むしろ放置すると症状が悪化します。毎日シャンプーをしても大量のフケが発生・頭皮の炎症・ニキビの勃発など不快な症状が出やすいので、早めにクリニックで診てもらいましょう。
脱毛症の原因とは
脱毛症の原因はとても複雑に絡み合っているため、大半の場合は原因が重なって発症しているようです。ただ、髪にとって明らかによくないことはあります。
遺伝要素の問題などはクリニックの治療薬に頼るしかない部分もありますが、自分で改善できるところはできるだけ努力して頭皮環境を変えていくことも大切です。
男性ホルモンの影響
男性の脱毛症は男性ホルモンの影響を受けやすいものの、「男性の脱毛症=100%男性ホルモンが原因」とは言い切れません。
なぜなら、同じ男性ホルモンでもいくつか種類があり頭皮にプラスになるものもあればマイナスになる可能性が高いものもあるからです。
また、男性ホルモンと薄毛の関係はまだ研究段階でよくいわれている説の中にも間違っているものは少なくありません。
例えば一昔前まで「男性ホルモンのテストステロンが多いほど薄毛が進行する」なんて説もありました。
確かにテストステロンと5αリダクターゼが結合すると、男性型脱毛症の原因になるDHTを生成させます。
ただ男性型脱毛症になりやすい遺伝的要素がない体質ではテストステロンが悪さをしないケースも多いので、一概に1種類のホルモンを脱毛原因と決めつけることはできません。
専門クリニックで血液検査を受ければ男性ホルモンのことも色々分かるため、心配な方は医師に診てもらいましょう。
過度な精神的ストレス
過度な精神的なストレスがどう作用して男性の脱毛症を引き起こしているのかは、医学的に解明されていません。ですが抜け毛に影響がある可能性は完全に否定できないようです。
人間は強いストレスを受けると自律神経が乱れやすくなり、不眠や過食など頭皮環境を悪化させるトラブルを招きやすくなります。
ストレスをまったく感じないことは無理なので、定期的にストレスを発散する対策を日常生活の中に組み込んでいくしかありません。
自律神経の安定のためには午前中の日光浴もおすすめです。
頭脂の増加・頭皮の雑菌
脂漏性皮膚炎になると脂漏性脱毛症も発症しやすくなるように、頭皮の皮脂量が増えることも男性の脱毛症の原因になります。
頭がベタベタするほど大量の皮脂が分泌されると、毛穴も詰まりやすくなりターンオーバーも崩れがちになるはずです。雑菌が増え深刻な抜け毛につながることもあります。
皮脂によって多角的に頭皮環境が悪くなるため、まずは皮脂量をコントロールすることが大切です。
適切な皮脂量に抑えるためには、睡眠の質&量に注意してストレスをケアすることも効果的でしょう。
単純に食事の油分が多いせいで皮脂量が増加しているケースや、髪を丁寧に洗っていないせいで不衛生になっているケースにも注意して下さい。
脱毛症の治療法
脱毛症の種類によって治療法は異なりますが、医療機関には色々なアプローチ方法があります。
医学的知識がないのに勝手に判断し、市販のサプリや育毛剤にお金を投資するよりプロに診て貰った方が問題解決の近道になるでしょう。
外用薬
外用薬を処方される男性の脱毛症は少なくありません。男性型脱毛症の場合もミノキシジルなどの塗り薬を塗布するよう指示されることもありますが、AGA専門クリニックではオリジナルの育毛剤が販売されていることもあります。
円形脱毛症の症状でミノキシジルが処方されることもありますが、一般的にはステロイド外用薬や塩化カルプロニウムなどが使用されることが多いです。
脂漏性脱毛症の場合は大体抗真菌薬やステロイドが処方されます。
内服薬
男性型脱毛症の治療では、5αリダクターゼの働きをセーブするフィナステリド(プロペシア)などの内服薬が処方されます。
フィナステリド(プロペシア)は副作用としてED・肝機能障害・うつ症状などがみられることがあるため注意が必要です。
クリニックによってはデュタステリド(ザガーロ)で治療します。症状によってビタミン剤や亜鉛のサプリを勧めるクリニックもあるようです。
デュタステリド(ザガーロ)もフィナステリド(プロペシア)同様にEDなどの性機能障害が副作用として多く、人によっては抑うつや発疹なども表れるため事前に副作用について調べておきましょう。
重症の円形脱毛症にはステロイド内服薬が処方されることもあります。肥満や消化器不全などの副作用リスクを伴う内服薬ですが、頭部や全身の毛が広範囲で抜け落ちている症状を改善できる可能性があります。
また、最近では体質を改善するため漢方薬を処方する医療機関もあり、繰り返す脂漏性脱毛症や円形脱毛症が漢方処方で快方に向かうケースもあるようです。
光線治療
光線治療は円形脱毛症に有効と考えられている治療方法です。免疫の働きを調節する紫外線の作用を活用し、頭皮の状態の改善を目指します。
病変が多い場合は順番に光をあてていきますが、この施術を週1ぐらいのペースで何度か繰り返すと効果が発揮されやすいようです。
局所注射
ステロイドの局所注射も円形脱毛症の治療法の1つで、脱毛範囲がそこまで広くない場合に用いられることがあります。
多発タイプではない円形脱毛症の症状が長引いてしまっているときも、効果が期待できると考えられています。
局所免疫療法
局所免疫療法は重症度が高い円形脱毛症患者さんに勧められることがあるアプローチ方法で、わざと患部をかぶれさせる物質を塗って治す治療方法です。
アトピー性皮膚炎を併発している患者さんは避けた方がよいと考える医師もいます。皮膚の状態が悪くなる恐れがあるので、少しリスキーです。
ただし、かぶれによる反応の影響で、自己免疫機序を抑えられる可能性があります。他の治療法を色々試しても結果につながらなかった場合は、こういった治療法が提案されることもあるようです。
脱毛症治療にかかる費用相場と期間
脱毛症治療の費用はほとんどの場合自由診療になるので、クリニックによって具体的な金額は違います。税込かどうかも含め、各クリニックの治療費をチェックしましょう。
例えば男性型脱毛症の内服薬ではフィナステリドが定番の飲み薬の1つになりますが、同じフィナステリドでも販売価格には差があります。
初診料や再診療が必要なところと不要なところもあり、いずれにしても自由診療なので公的な医療保険制度は適用されません。
ただし脂漏性脱毛症や円形脱毛症は健康保険が適用される治療もあるので、相談してみて下さい。治療期間もバラバラですが、どの脱毛症もたった1回だけ通院して即治るケースはあまりありません。
特に男性型脱毛症の場合は効果を維持するために服薬や薬の塗布を長期間続ける必要があり、薬の使用を止めると少しずつ元に戻ってしまいます。
長く続けるためにも薬代や治療費の問題は重要なので、通院前に料金情報も必ずチェックし予約を取るようにしましょう。
脱毛症の治療効果と副作用
脱毛症の治療方法は色々ありますが、医療機関で行う治療法は効果も高いため副作用とも無縁ではありません。
比較的副作用が少ない治療は漢方治療ですが、少しずつ時間をかけて体質を改善していくアプローチ方法で即効性は期待できないケースが多いようです。
男性型脱毛症の飲み薬フィナステリドは初期脱毛・気分の落ち込み・肝機能障害などの副作用が報告されています。
効果が出るまで半年近くかかる患者さんもいらっしゃるようですが、効果の高さには期待できる治療薬です。
日本の専門学会からもフィナステリドによる継続治療で男性型脱毛症の90%以上の効果が表れた、と発表されています。
他にも、メソセラピー・HARG療法・ヘアフィラーなど最先端の治療方法は色々あります。副作用のリスクを踏まえた上で積極的にトライする価値は十分にあるでしょう。
脱毛症を予防するには
脱毛症を予防するためにできることは色々あるので、実践しやすいものから日常生活に取り入れていくことをおすすめします。
脱毛症の原因に色々思いあたりすぎてどれから手をつけて良いのかわからない場合は、クリニックの無料カウンセリングを受けるのがおすすめです。
専門家の視点で的確な分析の結果、効果的なアドバイスを貰えるでしょう。本格的に脱毛症の問題を解決するためには医療機関の治療を受けるのが確実です。
脱毛症の治療に悩んだら…
脱毛症の治療に踏み切れずにいる男性も多いでしょう。ただ、今まで髪の問題に悩み市販のサプリメントや育毛剤を何度も購入していませんか?
育毛剤ジプシーに陥っている男性も大勢いらっしゃいます。薄毛にきくシャンプーなどもたくさんありますが、同じ薄毛用シャンプーでも専門クリニックで販売しているものの方が信ぴょう性が高いと思われます。
市販の薄毛対策グッズも決して安くはない上、医学的根拠の乏しいものが目立つため、今まで薄毛のために使ったトータル金額を一度冷静にチェックしてみて下さい。
今はオンライン診療ができるクリニックも多いので、以前より利用するハードルがぐっと下がっているような気がします。
一度カウンセリングの予約をしてみてはいかがですか?
脱毛に悩まない人生を歩もう
脱毛は精神的なストレスの原因にもなる辛い症状です。脱毛の問題で悩む男性は本当に多く、専用の治療法や薬はたくさんあります。
一人で悩んでいても症状は進行する一方ですが、専門家と二人三脚で頑張ることで改善の余地は十分にあります。
髪の問題はとても複雑なので、実績のあるクリニックに相談するのが一番です。
特に男性専門クリニックなら、男性特有の体質や症状も熟知しているので安心して任せられそうです。脱毛に悩まない人生を歩むためにも、思い切って行動を起こしてみませんか?
【記事監修】今泉 明子 今泉スキンクリニック 院長
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 聖マリアンナ医科大学を卒業後、皮膚科医として経験を重ねるほか、米・ニューヨークの大学で研究に従事。帰国後、都内の皮膚科クリニック院長を経て、今泉スキンクリニック(六本木)を開院。